東京五輪の卓球競技のメンバーが発表されましたね。いよいよやってきますね。
日本の卓球人口は日本卓球協会の平成30年度の加盟登録人数を見ると約35万人となっていますが加盟をせず趣味などでやっている人などを入れるともっと多くなると思います。それを考えてみれば今回選ばれた3名は「35万人分の3人」となるわけですからすごいですよね。超狭き門です。中国は更に卓球人口が多いですし、レベルも高いとなると超超狭き門です。選ばれるだけでもスゴイことですよね。それでも選手たちはでるだけではなくメダルを狙って日々練習しているのでしょうから少しでも力になれるように応援していきましょう。

こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール

卓球をやり始めたばかりの選手や卓球経験が浅い小学校低学年ぐらいの子供たちはまだ自分達だけでラリーを続けるのが難しい為大人が球出しやラリーをしてあげるという練習が多くなると思います。しかし子供たちの数に対して指導者やコーチの数は圧倒的に少ないはずなので子供達同士で練習する場面が必ずあるはずです。そのような場合どういう事に気を付けて練習すればいいのでしょうか。
八戸卓球アカデミーで実際に行っている練習を紹介しながら進めていきたいと思います。

1、「続ける練習」なのか「ミスをしてもいい練習」なのかを理解させた上で練習する

どの年代、どのレベルでも【目的意識】を持って練習してもらうことが何より大切だと思っています。特に小学生から中学生ぐらいの年代にかけてはこれを意識しているかそうでないかで将来的に雲泥の差が出てくると思っています。

まず上達していく上で大事なのは「ラリーを続けること」です。続けることで自分の打球感覚が身に付き、次第に足も動いてくるようになります。そうなると次は力強いボールを打つことができるようになり更には自分から変化をつけようという考えも生まれてきます。何よりこの時期はラリーが続くようになると「卓球って楽しい!!」という気持ちが生まれ、卓球を好きになってくれます。

それと並行して行いたいのがフォームをしっかり作り、インパクトの瞬間の力加減を調整していくということです。自分なりの『型』が身についていないこの時期はミスが多くなるのは仕方のない事です。その時に子供たちに「この練習はミスをしてもいいから正しいフォームで打とう!!」という優先順位を付けてあげることが大切になります。そうして思い切ってスイングすることにより少しずつ自分の『型』が見えてくるようになります。

このようにまずフォームの良し悪しを抜きにして相手の台に返すことを優先する「続ける練習」とミスが多くなるのを承知で思い切ってラケットを振る「ミスをしてもいい練習」を組み合わせて練習計画を組むことが大切です。そしてその目的をしっかり練習前に選手たちに説明してから入るようにしましょう。

次に「続ける練習」と「ミスをしてもいい練習」の具体的な内容を紹介します。

2、【続ける練習】~1コース練習でも飽きさせない工夫~

【続ける練習】で大切なのは少しでも簡単な練習でラリーを続け成功体験を多くしていく事です。どれくらいラリーを続けるかというのはレベルによって差はでてきますが1コースのラリーを10回程度(10往復)で構わないと思っています。与えられた課題に対して一つずつクリアしていくという過程を選手が積み上げていく事の方が大事と考えるからです。

【1コースの練習例】
・フォアハンド(フォアクロス・ストレート、バッククロス・ストレート、ミドル、)
・バックハンド(フォアクロス・ストレート、バッククロス・ストレート、ミドル、)

これで10種類の練習になります。
通常台の近くで打ち合いますが台から下がって行う事で難易度も上がるのでいろいろアレンジをして飽きさせない工夫をしていきましょう。この時期の子供たちは練習に楽しさを見出すことができれば進んで練習してくれます。子供たちの感情はすぐに顔に現れますので見逃さないようにしたいものです。

3、【ミスをしてもいい練習】~子供同士で多球練習~

フォームをある程度固めるためにはミスを怖がらずに思い切って打ち続けることが必要です。そういう場合は多球練習が効果的な練習方法になります。八戸卓球アカデミーでは子供達同士でもボールを出し合います。球出しをしたことのない選手もいますので始めのうちはゆっくりとしたタイミングで出していき、徐々に間隔を狭めていきましょう。打つ側はラリーを続けるわけではないので早く戻ることよりも自分のフォームを意識して思い切ってラケットを振ることに重点を置きます。1コースの練習でも前陣、中陣、後陣と打つ位置を変えて力加減を調整することが大切です。

球出しを続けていくと少しずつスピードやコントロールもできるようになってきますので球数が必要なフットワーク練習や下回転ボールなどバリエーションを増やすこともできるようになってきます。子供の場合まだ手が小さいので一回で掴めるボールの数が限られますが3球1セットでだせるようになれば大幅に練習効率が上がるようになります。

【3球1セットの多球練習例】
1、台上ボール→ツッツキボール→ロングボール
2、ツッツキ→回り込み→飛びつき
3、回り込み→飛びつき→戻ってミドル強打

このように3球を1セットにしてボールを出すことをまずは目指してみましょう。
更に「球を出しながら追加でボールを掴んで連続で出し続ける」ことができるようになればあなたも球出しプロです。しかし更にその上のレベルが・・・


『「大人がいなければ練習ができない」「コーチがいなければ練習内容がわからない」ということでは強くならないよ!!』
という事はよく選手達に言っています。自分達だけでもレベルの高い練習をするにはどうしたらいいかを考えることが大事で、指示待ち、指導待ちではいけないのです。

「卓球を通じて自ら学び自ら考える力を養いワンランク上の自分を目指す」


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