卓球はボールを扱う競技なので必ず「回転」ということを理解できなければミスが多くなります。
大人になるにつれて日常生活などから学び取ることもあるので卓球初心者でも案外、回転をかけたり、どれくらい曲がるのかなど理解できているものです。
しかしまだ小学生の段階だと来たボールに対して何も考えずにラケットを出すことが多いのでボールがあさっての方向に飛んで行ってしまうことが多くあります。それではラリーも続かず、卓球の面白さに気づかずにつまらないものになってしまいます。
回転を知ることでもっと卓球が楽しくなりますので是非「回転」について勉強する時間を作ってみましょう☆

1、回転の方向を学ぼう

まず回転を理解する初歩段階として「回転の方向」を理解する時間を設けましょう。
座学でもいいし、実際にやってみせるやり方でもいいでしょう。大事なのは下図のようにボールを上から見たときに「時計回り」に回転しているのか「反時計回り」に回転しているのかを理解してもらうことになります。

右対右の立ち位置から考えると、
1、自分の方に向かってくるボール、サーブが「時計周り」、俗に言う順回転サーブ
2、自分から逃げていくボール、サーブが「反時計回り」、俗に言う逆回転サーブ
になります。

この他にも「下回転」、「上回転」、「横下・横上回転」などがありますが今回はわかりやすいように横回転を用いて説明していきます。

まずはこのように卓球には様々な回転の方向があるということを覚えさせましょう。
理屈で教えるというよりはまずはやってみて、いろいろな回転に対してラケットに当ててみましょう。
自分が思っている方向にボールが飛んで行っているか?どこにボールが飛んで行っているか?など観察してみましょう。
ここではレシーブの仕方、ボールの取り方を覚える必要はありません。
回転がかかることでいろいろな方向にボールが飛んでいくんだとを感じ取ることがここでは大切になります。

2、ラケットの角度を知ろう

上記の回転の種類を覚えたら次はそのボールを取る方法を覚えましょう。
まずは指導者・コーチが時計回りのサーブ、反時計回りのサーブ、下回転サーブ、アップサーブをだしてレシーブをさせてあげましょう。そして選手はラケットに当ててみてボールがどちらの方向に飛んでいくか観察してみましょう。
この際に注意したいのが「順番にサーブを出す」ことです。

1、時計回りサーブ(順回転サーブ)
2、反時計回りサーブ(逆回転サーブ)
3、下回転サーブ
4、アップサーブ

上記の4つを一つずつ順番に出します。サーブを出す前に指導者・コーチの方は
「今から時計回りいきまーす。」
「次は反時計回りだよー。」

と声に出してから出すと理解力が上がってきます。また4種類のサーブを出すときは4種類とも違うフォームで、尚且つわざとらしいくらい大きなフォームで出して選手側に「違うサーブ」という認識ができるようにしてあげましょう。
選手側は「〇〇回転のサーブが来たから〇〇(右側、左側など)に飛んでいくな」と少しずつ理解できるようになっていきます。


※黒の線がサーブの軌道。赤の線がボールが飛んでいく軌道

飛んでいく方向が少しずつ理解できるようになってきたら次はその飛びを抑えるために「ラケットの角度を調整」することを覚えましょう。調整とは言っても飛んでいく方向と反対側のラケット角度を出すだけです。
「どうすれば、台の中に収まるなかぁ」と選手に考えさせてみましょう。

3、ソフトタッチを覚えよう

ボールの回転を少しずつ理解できてきたら次の段階として「力加減」について学んでいきましょう。
力加減とはボールがラケットに当たるインパクトの瞬間に力を入れる、力を抜くといったよく言われるボールタッチのことになります。小学生ぐらいだとボールとラケットが衝突してしまい回転など関係なく遠くに飛ばしてしまう傾向がありますのでその部分を微調整できるようになることが必要になります。

上記項目2「ラケットの角度を知ろう」で学んだようにラケットの角度さえあえばボールは入ります。回転に対しては力はいらないのです。特に相手のボールの威力が強かったり、ボールのスピードが早ければ早いほどこちらは力を入れなくても相手の威力を利用すれば入ります。角度さえ合えばボールは入るので強く打つことで返球するのではなく小さい力、つまりソフトタッチで返すことができるようになると回転に対しての返し方、速いボールに対しての返し方がわかってきます。

またこのソフトタッチに関してはできるだけ小学生ぐらいの時に覚えておきたいです。高校生ぐらいになってからだとどうしても力で返すことが身についている場合が多く、なかなか習得するのに時間を要してしまいます。

5歳~12歳までの期間はゴールデンエイジと呼ばれますがこの年代はボール感覚や動くスピードなどがものすごい成長曲線で伸びる時期と言われているので是非とも小学生の選手たちには覚えてほしいと思います。


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