卓球の技術の中で「レシーブ」というのは大変難しい技術になります。
トップ選手でも全てのサーブを狙い通りに返球するのは至難の業です。

そこでレシーブ練習をする際に意識してほしいことをサーブの種類ごとに紹介したいと思います。

1、バックへのロングサーブに対するレシーブ練習

試合の中で3割~5割ぐらいで来るサーブです。右利き対右利き、左利き対左利きのように同じ利き手同士の対戦では順回転のサーブが多くなります。
練習の際は以下の3つのパターンで行ってみましょう。

(1)バックでドライブ、もしくはミート打ちで返球する

バック側に来るサーブに対してはバックでレシーブすることが多くなります。その際にまずは自分から打てるように練習しておく必要があります。バック面が裏ソフト、表ソフト、粒高など関係なく自分から打てるようにしておきましょう。スピードがあるサーブなのでそこまで強く打球しなくても反発してボールが飛んで行ってくれるので”打つ”というよりは”こする”、”回転をかける”意識で返球しましょう。

(2)ツッツキで返球する

ロングサーブが来た時に咄嗟的にツッツキをしてしまうことがあります。そのような状況も想定して上回転以外のサーブ(横回転や横下回転)に対してツッツキで返球できるように練習しましょう。回転の方向(順回転、逆回転)によってラケットの出す角度が変わってきますので微調整が必要です。
ツッツキの際も(1)のドライブでのレシーブと同様で自分から強く当てに行くのではなく”ラケットの角度で返球する”意識を持ちましょう。

(3)回り込みドライブで返球する

バックだけでレシーブをするとなかなか強く打てなかったり相手に待たれて3球目を強打されることもありますので回り込んでフォアでドライブをして攻めていくことも必要です。ボールが来てから回り込んでは遅いのでサーブがネットを越える前には回り込んで打つ態勢を取っておきましょう。また回り込み時はつまってしまうことが想定されますので大きく、広く回り込むようにしましょう。

2、ショートサーブに対するレシーブ練習

相手のコートに2バウンド以上するサーブをショートサーブと言います。試合の中では5割~7割ぐらいはこのショートサーブになります。短いサーブを出して相手にツッツキやフリックなどの強く打たれないようなレシーブをさせて3球目を自分から打っていくためのサーブになります。
以下の3つの練習が重要になります。

(1)横回転・上回転サーブに対してのツッツキレシーブ

横回転・上回転のサーブに対してツッツキをするとボールが浮いてしまう恐れがあります。そのためフリックやチキータのようにレシーブ側も横回転や上回転をかけてかえすのが基本になります。となると、サーブ側もフリックやチキータを待っている可能性が高いので無理やりツッツキをして相手の思考の逆を取れるようにしましょう。

(2)下回転サーブに対してフリックレシーブ

こちらは(1)の逆パターンになります。下回転のサーブに対してはレシーブもツッツキのように下回転で返球するのが基本になります。サービス側もツッツキをされることを想定しているのであえてフリックレシーブをして相手の読みを外せるようにしましょう。

(3)チキータレシーブ

ショートサーブに対してのチキータレシーブは現代の卓球では必須のレシーブ技術になります。またチキータレシーブはボールの横を取ることが基本のため、相手のサーブの回転や変化が分からないというときに回転軸を外すことができるのである意味、万能のレシーブになります。回転が分からなかったとりあえずチキータレシーブをしてみるというのは一つの戦術としてありです。

3、ハーフロングサーブに対するレシーブ練習

ハーフロングサーブとはサーブが相手コートについて2バウンド目が台から出るか出ないか、レシーブでドライブを打てるか打てないかという、長さが際どいサーブのことを言います。このサーブに対するレシーブは難易度が高く
「台上で待つのか」それとも「ドライブで待つのか」悩ましい所です。 技術以外に判断力も必要になります。
以下のことを注意して取り組みましょう。

(1)ボールを辿ってボールと一緒にラケットを引くようにする

レシーブをするときにラケットを前に(少しでも前の方がいいのでネットに近い位置に置きましょう。)置いてボールと一緒にラケットを引いて(バックスイングをして)打ってみましょう。この時に意識してほしいのはボールの上にラケットがあることです。少し難易度は上がりますがボールの上を擦るようなイメージで打つことが必要です。ボールの下からラケットを当てて打つ、ボールの後ろにラケットがあるという状態だとスイング方向が上になってしまいハーフロングのボールを打つのは難しくなります。ボールの長さを見極めるためにもボールと一緒にラケットを引いてボールの上を擦りましょう。

(2)ラケットを開いて打つ

ボールの上を擦るためにはラケットが開いていなければいけません。ラケットを内側に巻き込むように握ってしまうとボールの横、もしくは下側を捉えてしますので出るか出ないかのボールを打つのは難しくなります。ラケットの面を外側に向けて少し手首を使って打つようにしましょう。ラケットを振るというよりは”手首、手先を使って回転をかける”というイメージで打ちましょう。

出るか出ないかの判断はある程度量をこなしていくうちに少しずつ判断できるようになってきます。練習していく上で台に指をぶつける、というようなこともあるかもしれません(汗)トップ選手からはよくそのような話を聞きます。まずは根気強く練習してコツをつかみましょう。

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