こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール

現在練習ができず過去の試合などを見て振り返っている選手達は多いのではないでしょうか。ということで今回は自分の試合を振り返るにあたりどのような点に意識して見ていけばいいのかについて考えていきたいと思います。

試合の流れを把握する

試合を振り返るにあたりまず自分の試合がどういう流れで進んだかというのを把握することが大切です。ここでは難しく考えないで点数を取った取られたの流れを書き出してみましょう。(下図参照)

このようなスコア表はTリーグやバレーの試合などでもテレビ画面に映し出されるので見たことがある方も多いと思います。この表を見ると点数がどのように取られているのかが一目でわかります。サーブ(以下SV)、レシーブ(以下RV)の順番なども書き加えておけばより分かり易いと思います。このスコア表から読み取れるのは

1、SV、RVの得点率、失点率
2、連続得点、連続失点の有無、タイミング
3、得点、失点のパターン

などです。
振り返る時に注意しなければならないのは単純にスコア(点数)だけを見て「今回は競る事ができた」「いい勝負になった」という考えになってしまう事です。それは自分の感情が先行してしまっていて、考えるべき大事な点が抜け落ちていることが多くあります。そうならないためにもこのような得点の流れがわかるスコア表を作り、分析をして客観的に自分の試合を見ることが必要なのです。

スコアを書き出しながらその試合、そのポイントの時自分がどういう感情、考えで試合していたかも追記しておけば今後、メンタルをコントロールしたり、自分の行動パターンを分析する上で役立つので是非やってみましょう。

拾える数字は拾えるだけ拾う

これまで沢山の方の試合の映像分析をさせて頂いておりますがアドバイスがより具体的に伝わるように数字を多く用いてご説明させて頂いております。数字は老若男女、性別、国籍問わず共通の表現方法であり根拠があります。 もちろん数字が大きくなれば理解するのに時間を要しますが試合の分析では大きい数字はでてきませんし、難しい計算式を使うわけでもありません。単純に自分の試合がどういう点数の取り方、取られ方をしているのか数字を拾っていくだけです。数字があることで納得できることはあるはずです。数字が全てではないですがある程度数字を把握することで理解はしやすくなるでしょう。

【数字で表せる内容例】
1、SV、RVの得点率(例:〇〇%、〇/〇、〇本中〇本など)
2、何球目まででラリーが終わっているか(例:〇球目までの得点率〇〇%など)
3、3球目の得点率(例:〇〇%、〇本中〇本得点など)

このように数字で見える化することによりただ漠然と試合を分析するより良かった点、改善しなければいけない点の理解がしやすくなります。

自分の癖、パターンを書き出す

ここまでは試合の流れを理解して数字を拾うという作業をしてきました。次はより細かく試合を見ていく必要があります。得点も失点も何かしらの理由、根拠があって起こっています。それを紐解いていきます。

セットを重ねるごとにある程度攻めのパターンが見えてくるはずです。この攻めのパターン、つまり得点に繋がっているパターンを書き出して振り返ってみましょう。
(下記参考例)

SVからとRVからとそれぞれ得点率の高かったパターンを書き出してみましょう。この時に得点率を数字でだしておくと更に分かり易いです。(例:サーブ8本中2本はこのパターンで得点している、全体の得点の〇〇%はこのパターン等)
ここまでは得点についてまとめてきました。

次は失点についてです。
失点についてはまずパターンで見るよりも技術的な面を見ていきましょう。技術的な面とは
・フォアドライブのミスが多い
・チキータミスが多い
・ストップが浮いてしまっている
など技術力が低い為に発生する単発的なミスのことです。そしてそこから何故そういうミスになってしまったのかを自分なりに分析します。これを何試合も繰り返し行っていくとおそらく今見ている試合だけでなく他の試合も同じパターンで失点していることに気付くはずです。その失点の原因が自分の癖であることが往々にしてあります。それに気付けるか気付けないかというのはとても重要です。

攻めのパターンは一つ一つの技術が派生していって作られます。自分の攻めをパターン化し技術的に不足している部分を相手に悟られないように隠したり補ったりすることはありますがそれはあくまで試合中での対応や応急処置的な考え方です。本来はその元となる技術的なミスの原因を突き止めて改善してパターンを作っていくべきと考えています。
その為にもこれまで書いてきたように「試合の流れ」を分析したり「数字を拾う」などして自分のプレーを見つめなおすことが必要なのではないでしょうか。


全ての選手に効果を発揮する戦術というものはありません。
しかしながら一つの試合を分析して次の試合を分析、また次の試合・・・と行っていくうちにデータが蓄積されていき一つの戦術がバージョンアップされていき、より強固な戦術になっていくのではないでしょうか。
戦術と一言で言っても使う場面を間違えれば意味のないものになります。逆に持っている戦術の数やパターンの数が少なくても使い所を分かっていれば勝利にグッと近づきます。
そのような視点で試合を分析できればこれまでとは違った成果がでるかもしれません。


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