世界選手権も組み合わせが決まりいよいよという感じですね。
頑張れNIPPON!!
こんにちは。
八戸市出身の卓球指導者沼田です。→プロフィール
試合で使える戦術シリーズ第3弾「シェークハンド異質型」です。
異質型とは表ソフトや粒高ラバーを張っている選手のことを指します。
シェークハンド異質型の特徴をまとめてみましょう。
1、両ハンド型とプレー位置が同じくミドル寄りである
2、バックサイドは回り込まない場合が多い
3、威力よりも変化で勝負をする
4、後の先の戦いが多い
5、プレー領域は前陣
大きく分けてこの5つになります。
トップ選手の例を挙げると今年の全日本選手権で女子初の2年連続3冠王となった伊藤美誠選手、同大会で史上最年少ファイナリストとなった木原選手、今では珍しいバック粒高で丁寧や劉詩ブン選手に勝った中国の何卓佳選手、男子では先日張本選手に勝ったフォア表のスウェーデンのファルク選手などです。
裏ソフトとは違い自分から回転がかけづらい反面ナックルなどが出易い特徴がある為、威力重視というよりは変化で勝負する戦型と言えるでしょう。
異質ラバーは飛距離がでない為、大半の選手は台に張り付いてテンポの速さ、打点の高さで勝負をします。また大抵の選手が片面に粒のラバーを貼って、もう片面は裏ソフトを貼るというのが主流となっています。
これらの事を踏まえではどのように戦術を立てれば良いかを見ていきましょう。大きく3つに分けて見ていきます。
1、先に打たせる
異質型の選手は「後の先」で戦うという特徴があります。
これは相手に先に攻めさせた後に反撃するという意味です。自分から攻めるには威力がないといけませんが異質型の選手は総じて威力がない為その分をカウンタープレーで補っています。
※威力がないというのはパワーがないという意味ではなくラバーの性質上威力が出しにくいという意味。
それが「後の先」の戦い方です。
相手としてはこちらに打たせたいわけなのでその逆をするべく相手に先に打たせる事が重要となります。具体的にどういう展開かと言うとまず自分がサーブを持っている場合は粒系のラバーを貼っているコースにロングサーブをだします。持ち上げさせたところをカウンターで打ち連打していくというものです。
またレシーブ時も同様のコースに長いレシーブ(ツッツキなどの下回転が効果大)をして持ち上げさせます。
このように基本的に先に打たせる展開にします。
それでもツッツキで対応して打たせる展開にすることも考えられますのでツッツキをされた場合は一撃で打ち抜く準備をしておく必要があります。ループドライブになってしまうと相手にカウンターをされてしまい本末転倒になります。
その点を注意してサーブ・レシーブに取り掛かりましょう。
2、ラリーすべきか、狙いにいくべきかを見極める
異質型の選手は「自滅をなくしひたすら返球する防御力高めのタイプ」と「トリッキーなプレーをする攻撃力高めのタイプ」の二つに分かれます。まずこのどちらが対象なのかを見極める必要があります。この二つは見ての通りなので誰にでも判別できると思います。
まず前者のタイプは防御力が高く攻撃することよりも相手のボールに食らいつき1本でも多く返すということにおもきを置いています。その為相手にとっては自分の凡ミスが命取りです。それが分かっているので無理に打ちにいったり、リスクを背負った思い切ったプレーが少ない為全体的なボールの質は攻撃型に比べ低いです。
そこが狙い目でその手のタイプはラリーを続けているとどこかで決めに行ける甘いボールも多いのです。この甘いボールが来るまでにミスをするかどうかで勝負がつきます。
つまり取るべき戦術はボールの質を下げてラリーを続け甘くなったボールを決めに行くことです。
次に後者のタイプは非常にやり辛い典型的なタイプになります。そもそもトリッキーってどういう意味なのか辞書で調べてみると
1、奇をてらったさま。
2、罠 (わな) やひっかけがあって油断ならないさま。
とあります。
つなり自分にとって思いがけないボールを打ってきたり、タイミングが他の選手と違ったりと意表をつくようなプレーをする選手の事です。
私も現役時代はこの手の選手とやるのは非常に苦手でなかなか平常心で戦うことができませんでした。自分の考えている展開にならないのでペースを乱しがちになりますがそこはグッと我慢しなければいけません。これがまず、いや一番大事です。意外性な攻撃というのは意外というだけあってリスクが増します。相手もそれを承知の上でいろいろな技を繰り出してきます。多少のミスなんてなんとも思っていないのです。こちらとしてはそのトリッキーなプレーが頭に残ってしまいがちですが、あまり深く考えないようにしましょう。あとで試合を振り返った時におそらくそういうボールは1ゲームの中で数本ぐらいしか入っていないというのが分かると思います。
よって取るべき戦術は前者と同様、ボールの質を落としてラリーをしながら決め球を探すというプレーを心掛けます。
3、異質ラバーの状態を確認しながらプレーする
粒系のラバーは相手の回転に影響されづらいという特徴があるので裏ソフトの選手に効くようなサーブも効かないということがあります。その反面湿気などに非常に弱く、俗にいうスベルという現象が起きます。その代表例がブロックです。相手のドライブをブロックする時にネットに突き刺さったりオーバーミスするなど自分で制御するのが難しい場合があります。私も表ソフトを使用してましので痛いほど分かります。
ラケットの角度が関係してきますが気候や湿度により調整が必要です。試合をしながら相手の調子はどうなのか(ブロックが安定してるか。粒面でミスが多いか少ないか等)を観察します。自滅が多く粒の調子が悪い場合は徹底して粒系のラバーを狙います。逆にカウンターの決定率が高かったりミスが全然なかったりする非常に流れがよくなる可能性があるので避けるのが賢明です。
一般的に粒系はスピードボールよりも回転が掛ったボールに対してブロックをするのが難しい為ループドライブを多用することも必要です。しかしそのようなボールに対してブロックが決まった時はナックル性のボールで来たり、コートに浅く止まったり変化が大きくなりますのでうかつに連打できないので注意が必要です。
これらのようにシェークハンド異質型と対戦する場合は自分のプレーをするというより相手のプレーに重点を置き常に観察する意識を持ちましょう。
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