こんにちは。
八戸市出身の卓球指導者沼田です。→プロフィール

試合で使える戦術シリーズ第4弾は「カット主戦型」になります。
中・後陣から下回転系のボールを繰り出します。ドライブやスマッシュに対しても基本的に下回転にして返球します。守備型のプレーで相手にミスをさせて点数を取るというのがメインとなります。

カット主戦型の特徴をまとめてみましょう。

1、レシーブはツッツキが基本
2、競った時は場面では攻撃を仕掛けてくる
3、バックサーブが多い
4、バック面に異質ラバーを貼る場合が多い
5、フォアカットよりバックカットの使用頻度が高い

大きく分けてこの5つになります。

トップ選手の例を挙げると東京アートの村松選手、シチズン時計の御内選手、今年の世界選手権代表のミキハウスの佐藤選手、橋本選手。海外勢で見てみるとTリーグ木下マイスター東京の侯英超選手、琉球アスティーダへ加入が決まった韓国の朱世赫選手、トップおとめピンポンズ名古屋の韓国の徐孝元選手などです。

一言にカットマンと言っても様々なタイプがいます。
攻撃力が高いタイプ、ひたすら拾う守備力が高い選手。またラバーが裏裏の選手、裏粒の選手等選手により展開は大きく変わってきます。
またカットマンとの試合は基本的に下回転のボールを打ち続けなければいけません。
その為ツッツキ打ちをマスターするに越したことはないですがそれ以上に戦い方がとても重要です。カットマンはそれ以外の攻撃型の選手とタイプが全く違いますから戦い方次第で自分の実力の方が下でも勝つことが可能です。
中にはカット打ちだけには自信があるという選手もいるほどです。

これらの事を踏まえではどのように戦術を立てれば良いかを見ていきましょう。大きく3つに分けて見ていきます。

1、高い低いではなく浅い深いで判断

カットを打つに至って考え方を変えなければいけないことが狙いに行くボールの判断です。
苦手な選手を見てみるとカット打ちの緩急をボールの威力(強い弱い)で付けている選手が多いです。通常卓球では高いボールがチャンスボールと捉えられますがカットを打つ時には浅いのか深いのかで強打する判断をすることが大切です。
自分の打ったボールのミスが多い場合はこの判断が間違っている可能性が高いです。
「回転量が多いボールは難しいんじゃないの??」とお思いの方もいると思いますが浅く入ってきたボールは回転量に関係なく強打できます。
何故かというと浅いボールは相手のコートまでの距離が短いからです。狙う標的までの距離が長くなればなるほど難しくなるのは容易に理解できると思います。台から離れれば離れるほど台に入れるのが難しくなるのと同じことです。

カット打ちで自滅が多いと思う選手は今一度ボールを選ぶことを最優先にして取り組んでみましょう。

2、回転量の少ないボールを送り要所で一撃打ち込む

現代のカットマンはバック面に粒高を貼っている選手が多いので粒高に対してという前提でお話致します。粒高は回転量があるボールに対しては回転がかかり、ナックルのように回転が無いボールに対しては回転がかからないという性質があります。自分から変化をつけることが難しい反面相手のボールに対しては変化をつけ易いということです。
その性質を利用してナックルのボールを多用してカットが自分のコートに浅く入ったらミドルへ強打するというのが定石となります。ナックルのボールはラケットをフラットにしてボールを乗せて打つようなイメージです。その際にコースを散らしすぎないように注意が必要です。基本的には粒高ラバーのコースへ打ち続けることが大事です。コースを散らすという事は相手にどうぞ変化をつけてくださいと言っているようなものです。自分で自分を迷わす行為になりますのでコースの散らしは厳禁となります。

3、浅いボールを送った後のストレート強打

カットマンは選手によってプレーする位置が若干違います。攻撃力に長けている選手はどちらかというと前・中陣でのカット、逆に守備力が高い選手は中・後陣でプレーをします。しかし共通している点として浅いボールに対してはカットの変化をつけづらいという点です。
通常カットは体の正面ではなくフォアであれば正面よりやや右側、バックであれば左側でインパクトします。それに対し浅いボールは体の正面で取らざるを得ないので変化をつけづらいのです。また返球する体勢も十分ではないカットは浮きやすく浅くなる傾向があるので自分が浅いボールを送ったその後のボールは強打していきましょう。その際ストレート、若しくはミドルへ打つことが必須です。 
またカットを何本も打っている中で浅いボールを入れるというのはけっこう難易度が高いものです。カットを連打しながらボールを落とす位置を調整(浅くしたり深くしたり)する練習を取り入れて自分で変化を付けれるようにしましょう。


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