小中学生の練習で気を付けたいこと2回目です。
上達するには様々な練習が必要ですがここでは「強打を打つ大切さ」についてお話したいと思います。
①強いボールを打つことで体重移動を覚える
強いボールというのはここではイメージがしやすいように「スマッシュ」ということに設定し話を進めます。
選手がどのレベルまで達したときにスマッシュを教えるのか、という議論もありますが私の場合は初心者でもフォアやバックを練習するのと同じようにスマッシュを練習するべきだと考えています。スマッシュのフォームを覚えることも大切ですがそれ以上に「体重移動」を体に覚えさせるということに重きを置いています。力を入れてボールを打とうとすると初めは手や肩に力が入ります。ですが、それではなかなかコントロールができず、ミスばかりになるということを次第に学んでいきます。そうすると次はタメを作って打つことや体重移動をして力を入れることの重要性が分かってきます。右利きの選手であれば右足から左足へ体重を移動させる動作を行います。そうすることでボールに体重が乗り、威力が増します。このことを学ぶことが大事です。
スマッシュを打てるようになるのが目的ではなく体重移動を行えるようなることがここでのゴールになります。
体重移動ができるようになるとインパクトの瞬間の力の入れるポイントがわかるようになってきます。また打球するリズムができミスが減るようになっていきます。
②力の調整の強い、弱いを覚える
スマッシュ(強打)を覚えることで力を入れて打つボールと優しく打つボールの違いを感じ取れるようになってきます。
これが「力の調整」のスタート段階になります。ボールをただ打つのではなく、強い力を入れて打つのか、それとも弱い力で打つのか調整しようとし始めます。
この能力を身に着けるためにはまず「強い力」で打つことを覚えなければいけません。
特に小学生ぐらいの場合はボールを追うことに精一杯になるのでそもそも「力を入れる・力を抜く」「強い力で打つ・弱い力で打つ」というような考えがありません。そのため意識的に強いボールを打つ練習をして自分なりに「力を入れて打つ」ということを感じ取ることが大切です。
③強打が打てる選手が勝ちやすい
年齢を重ねて体が大きくなっていくと自然と強いボールは打てるようになってきますが基本的には強いボールを打てる選手の方が試合では勝ちやすくなります。
これは卓球をやり始めた小学生ぐらいでも技術力がついてきた高校生・大学生などどの年代でも同じことが言えます。
しかし卓球は「速いボールを打てるのは誰だ!!」ということを競う競技ではありません。ゆっくりなボールを打っても相手がミスをしてくれれば得点になり、超速のボールを打てたとしても入らなければ失点となります。
これらの事からなにも速いボールを打つ必要はないと捉えることもできますが、それは強いボールが打てる前提での話になります。強いボールが打てずにゆっくりなボールしか打てなければ相手にプレッシャーをかけることはできません。また強いボールを打ってこないとわかっている相手に焦ってプレーすることもないので相手からミスを奪うことも難しくなります。
ラリーの回数も多ければ多いほど得点率が高くなるということもなく何球目以内で得点できれば2倍になるといったルールもありません。ラリーが長くなればミスをする確率も上がるので短いラリーで終わらせるに越したことはありません。
サービスエース、レシーブエース、3球目攻撃、などが短いラリーの例にあたります。
強いボールを打つというのも短いラリーを決めるための一つの手段になります。
ボールの威力があるというのは一つの武器になります。
遅いよりは速い方が得点率は高くなります。
小学生ぐらいの年代では多少ミスは多くなっても強く打つことを徹底して体にしみ込ませておくことが大切でしょう。
ミスを恐れて丁寧なプレーしかできないと戦術の幅も狭くなるし、何より卓球が面白く感じないものです。
多少ミスがあったとしても強く打って「点数が取れた!!」という成功体験をさせてあげましょう。