改善したい癖やフォームなどは練習を続けていてもなかなか劇的に変わることはなく少しずつ少しずつ改善していくものです。
根気がいることですが、ラバーの力でいくらかプレーが改善できることもあります。

ラバーの力と言っても戦型を変えるというものではなく悪い癖を直すために一時的にラバーを変えてみるというものです。そこで新しい発見もあるかもしれませんし、副産物的に新しい技術を身に着けられるときもあり、ラバーを変えることは何も悪いことではないと私は考えています。

1、台から下がってしまう人はバックを表ソフトにしてみる

小学生高学年ぐらいから中学生にかけて特に男子の選手は台から下がりがちになる時期があります。
それはラリーの回数が増えて戻りが間に合わなくなり台から下がらざるを得ない状況になったり、筋力がアップしてきて中陣ぐらいからでも打ちあえるようになってくるため下がることに抵抗が無くなるのも理由の一つです。
一概に台から下がることは悪いことではありませんが、中学生ぐらいの年代の場合は前について打ち合っている方が得点率も高いので少しでも台に近い所でプレーしたいところであります。

そういう場合の改善点として「バック面を表ソフトラバーにする」という選択肢があります。
表ソフトは裏ソフトに比べ回転がかけづらく、球の飛距離も出ないため台に近い所でプレーする選手に向いています。逆を言えば台から遠い所でプレーするには不向きだということです。
つまりバックに表ソフトラバーを貼るということは「台から下がれない状況」を自分で作りだしてプレーするということになります。

ミスをした時は「台から下がっているから」となり、「台に近い所でプレーしなければだめだ」と自分の意識も変わっていきます。

私も高校時代にバック面を裏ソフトから表ソフトにしてプレーした経験があります。
元々身長もない中で台から下がってプレーすることが多く、表ソフトにしてからは前陣でのプレーすることを心掛けているうちに動きのスピードも上がり、生涯私の武器となりました。
※ちなみに高校卒業と同時にバックは裏ソフトに戻しました。

【表ソフトラバー例】
・モリストSP(ニッタク) 5,720円(税込)
・モリストSPAX(ニッタク)6,820円(税込)
・ソニックAR(ニッタク)4,950円(税込)

2、回転がかけられない選手は中国製のラバーにしてみる

ツッツキやストップを覚える段階の時にボールを飛ばしてしまい、うまく回転をかけれないという選手がいます。
そのような場合に中国製のラバーを使用することで回転がかけやすくなることがあります。

回転がかけれない原因として、インパクトが弱い、ボールを擦れないなどが考えられます。テンション系のラバーや高弾性のラバーは反発力がありボールが当たった瞬間に飛んで行ってしまう特徴があります。
その点中国製のラバーは粘着性があり、強くインパクトをしても台に収まってくれる特徴があります。
多少強く当ててもオーバーする心配がないのでしっかりとボールを擦って回転がかけやすくなります。

下回転系のボールだけでなくドライブなどの習得にも中国ラバーは一役買ってくれますので是非お試し下さい。

【中国ラバー例】
・キョウヒョウネオ3(ニッタク)5,720円(税込)
・キョウヒョウプロ3ターボオレンジ(ニッタク)6,930円(税込)

3、弾いてしまう選手はフォアを表にしてみる

小学生ぐらいで特に女子の選手はなかなかドライブをかけることが難しい場合が多いです。
身長の問題もありますし、力の入れ方がわからないなど様々な要因がありますが、ボールを擦る感覚というのは人によってはなかなか身につかないこともあります。
そういう中でフォアのラバーを裏ソフトから表ソフトにすることで無理に回転をかけることをしなくても逆に弾くことが「吉」と出る場合があります。
また裏ソフトよりも回転の影響を受けにくいため、下回転のボールに対して少ない力でドライブをかけることができます。その為なかなかドライブができず、ツッツキばかりになってしまう選手には表ソフトを使って、ドライブをかけることへの抵抗を少なくしてあげることも大事です。

【表ラバー例】→ 上記表ラバー参照


小学生、中学生ぐらいの選手たちはまだまだ発展途上の段階でいろいろなラバーを試していくことで自分のやってみたいプレースタイルを見つけることもできますし、大人に比べ柔軟力もあるので思っているより様々なことに対応できるものです。
もちろん変えてみて不向きだなと感じたり、指導者が判断した場合は戻すことも必要です。
「物は試し」ではありませんがどんどんチャレンジしてみることはとても大切なことですので是非思い切ってラバーを変えてみてください。

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