卓球という競技は誰かと協力して行うものではなく自分だけで行う個人競技です。
例えば「フォアが苦手だからその部分は誰かに補ってもらう」ということはできません。
「レシーブが苦手だからその時だけ代わってもらう」ということもできません。
全て自分ひとりで行わなければいけません。
そういう競技性のため、技術力が偏っている選手はトーナメントで勝ち上がっていくことが難しくなります。
そうならないように練習内容を組み立てるときはバランスを考える必要があります。
1、全てはバランス
普段の練習を考える中で「バランス」を意識するのはとても重要なことだと私は考えています。ここでいうバランスというのは体のバランスを保つというものではなく、フットワーク練習をしたり、ゲーム練習をしたり、フォアハンド・バックハンドの練習、また多球練習などの練習内容のバランスをとるという意味になります。
「たくさんある練習をまんべんなく行う」と捉えがちになりますがそうではなく選手のレベルや大会が近い、大会が無いなど時期を考慮して柱となる練習を決めたあとは、メニューを固定することなく柔軟に行うというイメージです。
いくらバランスを考慮して練習しても、自分の得意な技術、不得意な技術というのが出てくるものです。これは仕方のないことであり、逆に言えばそれが個性になっていくので決して悪いことではありません。
「長所を伸ばす」という言葉もありますが、それでも短所を練習しないといわけでなく、長所をいかすためにいかに短所をうまく活用するか、という考え方が大切だと思います。
そのためにも同じことを繰り返し反復で行う練習ということも大切ですが長期的に選手の成長を見ていく中では偏った練習だけでなく「バランス」を意識して練習計画を組むことが大切になると考えます。
2、ラリーを続ける練習と続けない練習との組み合わせ
バランスを考える上でもう一つ重要になるのが、強打を打つ練習をするということです。
強打というのは決定打のことでよく「スマッシュ」や「カウンター」などと言われます。
「強打を打つ練習」と「ミスなく続ける練習」とは少し練習方法が違ってきます。決定打を打つわけですから、その一発で仕留めることが求められます。
そういう時は決定打を打ってラリーを終える、というような単発練習がおすすめです。
また多球練習のように決定打だけの練習をしてもいいでしょう。
卓球はノーミスで打ち続けられる選手が勝つわけではありません。
ミスなく何本も打ち続けることも大切ですが、一発で決めれる決定打を身につけることも同じように大切です。
これもバランスです。
3、レシーブ練習の時間を確保する
まだ卓球を始めて間もない小学生などは回転を理解することが少し難しい場合が多いです。
そのためレシーブの時にあさっての方向に飛ばしてしまい、レシーブミスだけで試合が終わってしまうことも少なくありません。
少しの時間でもいいのでレシーブだけの練習をして、回転の方向やラケットの出し方など覚えることが重要になります。
サーブ練習をしているチームは多いと思いますがレシーブ練習についても同じように練習に取り入れて行っていくことで少しずつ改善していくと思います。
これもバランスです。
練習のバランスについては特に卓球を始めて2年から3年ぐらいの選手にとってはなんでも吸収する時期ですのでとても重要になります。
あまり早い段階で選手の「型」を決めないように柔軟に練習メニューを決めて偏りがないようにしてみるのも大切ではないでしょうか。