いやー暑いですね。まだ梅雨入り前だというのに。
卓球はまだ直射日光を浴びないので外の競技よりは環境はいい方だと思いますがそれでも体育館の中の蒸し暑さはやばいですよね。熱中症にならないように水分補給・塩分補給はしっかりやりましょう。

こんにちは。
八戸市出身の卓球指導者沼田です。→プロフィール
今回はラバー選びのポイントについて見ていきたいと思います。

1、何を基準にラバーを選ぶの?

現在世界のトップ選手はメーカーと契約してそのメーカー単体で用具を固めることが多く他社製品とミックスしてラケット・ラバーを使うことはほとんどありません。
しかしそのように契約できる選手は一握りでその他の選手はそうもいきません。

現在は様々なメーカーからいろいろなラバーが発売されています。
数あるラバーを全て試すわけにはいきませんからその中から皆さんが決めるときは「トップ選手が使っている」とか「コーチに勧められた」などある程度既に限定されたものの中から選んでいることと思います。
確かにトップ選手が使ってるラバーは選手の試合結果によりその性能が証明されています。しかし自分のレベルやプレースタイルを度外視して「強い選手が使っているから」という安易な考えでのラバーの選択は控えるべきです。

実力に関係なく選手にはプレースタイルがあり得意技があります。経験が浅い選手でも得意技といかないまでも「フォアの方が得意」とか「バックの方が強く打てる」などの感覚はあるはずです。それらのことを一番活かせるラバーを選ぶべきです。しかし活かせるラバーとは言っても今はラバーの性能が非常に上がって来ており、大きな欠点があるラバーはありません。
その為私はラバーの硬度を一つのラバー選びのポイントとしています。

皆さんもご存じの通りラバーには硬度というのが存在しております。各メーカーによって表す数値は変わってきますが一つの判断材料にはなります。
柔らかいラバーはボールがスポンジに食い込むのでボールの軌道が安定して扱い易いという特徴があるので初心者から中級者向けの仕様になっています。対して硬いラバーは食い込みが浅いのでインパクトを強くする必要があり、ある程度ボールを弾いて打つ必要があります。その為、直線的なボールになりやすく扱いが難しい為、打球感覚が身についてきた上級者仕様と言えます。
上の表では年代毎にカテゴリー分けを行っていますが一般的に年齢が高くなるにつれてスイングが速くなりインパクトも強くなってきます。それに伴い硬い硬度のラバーも扱うことができるようになってきます。逆にまだ卓球を始めたばかりのビギナーの方や小学生ぐらいの選手は体や基本の形がまだ出来上がっていない為柔らかめのラバーを使用して安定して返球できるようになることが最優先になります。
このように自分のレベルを見極め、カタログなどに記載されているスポンジ硬度を見て自分なりに候補を絞ってみてはいかがでしょう。

2、ラケット・ラバーのメーカーは統一したほうがいい?

1ではスポンジの硬度の重要性をお話ししました。次はよく聞かれるメーカーを統一したほうがいいのか、それともメーカーをミックスしても問題ないのかという点についてです。あくまで私の考えですが結論から言いますと「メーカを統一したほうがいい」です。その一番の理由は「ラケットとラバーの相性」にあります。各メーカーは基本的には自社のラケットに合うラバーを開発します。そのことから同一メーカを組み合わせたラケットは大きく打球感が損なわれるということはありません。一方で他社メーカを組み合わせた場合はうまく合致する場合もありますがそうでない場合が非常に多いです。なかには「中国製のラバーにはA社のラケット」が合うとか、「表ソフトにはB社のラケット」が合うなど特殊なパターンもありますがそれは俗に言う「うまくハマった」例になります。シェークハンド全盛の今、ましてや超高速卓球の現代ではフォアとバックどちらの打球感覚も質の高いものにする必要があるので相性というのが非常に重要になります。

何年か前まで「グルー」と呼ばれる有機溶剤をラバーに塗ることによりスポンジを膨張させ反発力を高める接着剤がありました。それにより当時は「ラバー自体の性能+グルー=ラケット」という方程式が成り立ち弾みの微調整もできたのでラケットに対して違うメーカーのラバーを貼っても打球感覚にそれほど違和感を感じることはありませんでした。しかし現在のノングルーになってからはラバーの性能そのものがものを言います。封を開けてラケットに貼った時に微妙な感覚のズレがあっても何かしら細工して微調整をかけることができません。それによりこれまで以上にラケットとラバーの相性が問われます。相性を求めるのであれば元々相性を目指して開発している同一メーカーでラバーを探したほうがいいという結論になるということです。

《番外編》
~「同じラバーを買ったはずなのに打ってみたら感覚が違った」ということを少しでもなくす為の裏技を紹介~

自分のレベルが上がっていけば感じてくることですが同じAというラバーでも封を切ってラケットに貼りいざ打ってみると前回の感触とは違うことがあります。このように同じラバーでも気温や練習環境、ラバーの出荷時期などにより微妙な誤差が生じるものなのです。その原因の一つがラバーの重さです。わずか1g、2g違うだけでも感覚としては結構違うものです。それを解消する一つの手法がラバー重量を測ったのち購入するというものです。未開封のラバーの重量(ラバーを覆っている紙や封がしてある状態で測った重量/おおよそ特厚で95±5g程度)を測りその中から自分のベストの重量のものを購入します。(但しお店によりできるできないがあるのでお店で確認が必要です。)その為にラバーを購入したら毎回計量して良い感触だったラバーの重量を覚えておく必要があります。
少しでもラバーの誤差をなくすためにも試してみてはいかがでしょう。


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