クラブによって練習の進め方はいろいろあると思います。
八戸卓球アカデミーではラダーやミニハードルのウォーミングアップから始まりシャドープレーを行ってから練習がスタートします。シャドープレーとは実際にボールを打つのではなく様々な場面を想定し、その時に必要な動きをイメージしながら行うことを言います。シャドープレーや素振りがどのようにプレーに影響するのか見ていきます。
1、素振り・シャドープレーは自分を知るために必要
自分がどのようなフォームをしていてどういう体の使い方をしているかというのは案外自分ではわからないものです。そのような状況の中で
「もう少しスイングを前に振ってみよう」
「前腕を使って打ってみよう」
というアドバイスを送っても選手自身では理解しているつもりでも間違った解釈をしているというのはよくあることです。そして実際にボールを打ってしまうとどうしてもミスをしないように「ミスをしない打ち方」になってしまいます。
それでは正しいフォームは身につかないため、ボールを打たない「素振り」「シャドープレー」が大切になってくるのです。
効率的に行うためには「鏡」があれば自分を見ることができるのでコーチや指導者のフォームと自分の違うところを発見しやすくなります。全身を映す鏡があるに越したことはありませんが最低でも上半身が映るものがあれば十分対応できると思います。
2、シャドープレーは単発的な動きから徐々にパターン化した動きで行う
どちらかというと「素振り」は動きを入れず体の使い方を確認する、「シャドープレー」は動きを入れて体の動きを確認するという解釈で私は行っています。
シャドープレーの初期の入り方としては「回り込みだけ」「飛びつけだけ」というように単発的な動きから始めてみましょう。
全体の動きを合わせて周り選手がどのように行っているか選手同士で確認し合えればさらに効率的な練習になります。笛やブザーなどを使ってリズムよく行いましょう。
単発的な動きで正しい足の使いかたができるようになったり、素早く反復できるようになったら次は
・回り込み→飛びつき
・フォア前→回り込み
というように2つの動作で行うようにします。これも同様に正しい足、手など体の使い方ができるようになったらもう一つ動作を増やし
・フォア前→回り込み→飛びつき
・サーブ→フォア側ドライブ→バックハンド
などのように一つずつ増やしていきましょう。
このように動きをパターン化することで実際の試合でも自然とその動きができるようになり、無駄な動きがなくなり素早い攻めもできるようになるはずです。
3、シャドープレーと多球練習を繰り返し行い動きの誤差を少なくしよう
シャドープレーでは正しい動きができているけどいざボールを打ってみるとそれができないということがあります。シャドープレーでは実際にボールを打たず体の使い方だけに集中しています。一方で実際にボールを打つときにはしっかり台に入れようとして「ミスしたくない」という気持ちが先行してしまうために少なからずシャドープレーと実際の打球練習では微妙な違いが生まれてしまうのです。しかしシャドープレーと同じ動きを多球練習で繰り返し繰り返し行っていくことで少しずつ選手自身が気づいてきて微調整できるようになっていきます。
指導者・コーチはシャドープレーと実際の動きが一緒に出来たときは球出しを中断して
「今のOKだったよ」
「今の動作は一緒の動きだったよ」
などと気づきを与えてあげましょう。そうすることで選手自身も振り返ることができて今と同じプレーをしようと心がけてくれます。
各クラブによって打球出来る時間が限られていたり、練習場所が確保しにくいなどというときはこの素振りやシャドープレーを積極的に行ってみてはいかがでしょうか。そのほかの状況であっても自分の動きを知ることでより質の高い練習を求めていく上ではシャドープレーはとても重要と考えます。
何回も何回も繰り返し行っていくことで気づいてくることがあると思いますので是非参考にしてみください。
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