新チャンピオンの誕生で幕を下ろした全日本卓球選手権。トップ選手同士の真剣勝負には感動させられますね。「いつかは自分も・・・」と思って頑張っていたのが懐かしいです。
現役引退してから数年が経ちましたが自分が指導した選手があの舞台に立つことを夢見て今は第二の卓球人生をスタートしています。長い道のりになりそうです。焦らず一歩ずつ。
こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール
試合が少なくなるこの時期は用具の相談をされることが多くなります。
子供達が自分で用具を決めるのはまだまだ用具に関しての知識が浅い為、コーチや指導者が相談に乗ることが多くなると思います。
最近の子供たちの用具を見て感じるのは「ずいぶんと反発力のあるラケット(ラバー含む)ものを使っているな」ということです。悪いわけではありませんがトップ選手の用具に右へ倣えしているだけで自分のプレーにあっていないと感じることも少なくありません。
スピードグルーの威力
少しタイムスリップして一昔前の話をさせてもらうと以前は用具で飛ばすよりもスピードグルー(接着剤)を塗って飛ばすという時代でした。極端な話ラケット、ラバー自体が低反発なものでも一度スピードグルーを塗ると途端に弾みが増すようになります。スピードグルーはそれ程の威力を誇っていたのです。
始めはトップ選手が使用していましたが次第にトップ選手から大学生・高校生へ、そして中学生、小学生までもが使用するようになりました。
この時はラケットも特殊素材(カーボンやアリレート、チタン)の入っているものではなく木材のみの合板ラケットが人気で、手に響く感覚が良いという選手が多く、弾みに関してはスピードグルーで調整するという感じが主流でした。
高反発すぎるラケットも良し悪し
ボールのサイズも材質も昔とは変わってきていますのでその時代と比較するのもいかがなものかとは思いますが・・・
反発力が高いということは球離れが速くなり一見ボールのスピードが上がったように思ってしまいますが回転をかける前にボールが飛んで行ってしまい自分の感覚がないまま打ってしまっていることはよくあります。
「トップ選手が使っているからいい用具だ。」
「俺もあの選手みたいなボールを出したい。」
などの気持ちはわかりますが物事には順序があります。
まだ小学生ぐらいのうちは自分の感覚を掴むためにあまり頻繁に用具を変えず、できるだけ低反発なものにした方が良いと考えています。何より自分の力でボールを打っているという感覚を掴むことが大切だからです。
ある程度の基本技術が出来るようになってきたら弾みが高いラケットにしたりラバーの厚さを厚くしてみたりします。この「ある程度」という加減が難しいところではありますが一通りの技術をミスなくできるようになってきたらステップアップとして用具を替えてみましょう。
高反発な用具にした当初はこれまでしなかったミスをするようになる場合がありますが暫くは様子見とし、使い続けてみましょう。それでも凡ミスが減らない場合はやはりラケットが弾みすぎている可能性があります。技術的な要因でミスをしていることもありますが用具で補えるミスもありますのでもう少し低反発なものに切り替え、まずは安定してボールを入れる感覚を掴みましょう。
ラケット・ラバーにも相性が存在する
ラケットとラバーの組み合わせは人それぞれなので正解はありませんが個人的には硬い材質のラケットに柔らかいラバーの組み合わせは癖がなく、使いやすいと感じています。ボールがラバーに食い込んで安定した軌道が出やすいので直線的なボールのミスは少なくなります。小学生、中学生のミスの多くがこの直線的な弾道によるものです。弧線をしっかり描くことをイメージして打つことが大切ですが柔らかいラバーはその手助けをしてくれます。
各メーカーのカタログにラバー硬度やラケットの打球感(ハード・ソフト)などが記載されていますので参考にしてみてください。
「弘法筆を選ばず」と言いますが、こと卓球においては実力差が明白な時に限りの話だと思っています。実力が拮抗している時の戦いに於いては用具は大変重要な役割をしますので是非自分が納得するものを使い、試合に臨んでほしいと思います。
ラケットを信じ、己を信じ、勝利を掴め!!
3月の休日練習の日程については2月3日(月)にアップ予定にしております。
【関連ブログ/用具について】
・中国ラバーの特徴
・ラケットの選び方のポイント(シェークハンド)
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