先週末は岩手県花巻市で行われていた北日本卓球大会に行ってきました。十数年ぶりに行きましたが参加者の多い事多い事。バンビの部から一般まで、シングルと団体戦もあるのでけっこうな試合数だと思います。久しぶりにお会いできた方もいて大変有意義な時間を過ごすことができました。
こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール
卓球をやり始めの初期段階はフォアとバック、そしてミドルに来るボールに対していかに早いタイミングで切り返しをして返球できるかということに重点を置いて練習しますがレベルが上がるにつれて左右の動きもさることながら前後の動きが重要になってきます。前後の動きとは台から近い所で打ったり遠い所で打ったりすることで、前、後ろと動くことを意味します。
卓球は横の動き(左右の動き)が大事とされている為、小さい頃から左右のフットワークはよくやらされるものですが、一方で前後のフットワークを練習することは少ないものです。それは前後の動きが原因で失点したということに気付かず必要性を感じていないからです。
左右の動きは単純に「フォア・バックの切り返しが早い」、「届く・届かない」など結果がすぐに目で見えますが前後の場合は「下がりすぎ」という一言で片づけられてしまいます。ここが大きな落とし穴なのです。実は前後の動きができていない選手はチャンスボールのミスが多い事はもちろん、強打できるボールを見逃していることも多いのです。
ということで今回は前後の動きの重要性について見ていきましょう。
浅いボール、深いボールを理解する
前後の動きを身につける上で大切なのが「浅いボール」と「深いボール」を理解することです。まずどういうボールが「浅いボール」か「深いボール」を下の図を見て説明していきます。
①は2バウンド目がエンドライン際に落ちるボール、②はエンドラインから大きく離れる長いボールになります。
①が浅いボール、②が深いボールとなります。
自分の位置から①のボールの方が遠く、②の方が近いことがわかります。
この図にある立ち位置で考えると深いボールに対してはほぼ今の位置で打つことができますが浅いボールに対しては前に動いて動く必要があります。立ち位置が台に近い場合はこの逆になり、深いボールに対しては後ろに下がってから打つことが必要です。
この前後の動きが出来なければ安定したフォアハンド、バックハンドを打つことができません。
左右の動きはフォア、バックと切り返す必要があるので一見、必要性が高く優先的に練習する場合が多いですが「フォアハンドのミスが多い」、「バックハンドのミスが多い」選手は前後の動きができていない可能性があります。同じ位置にボールが返ってくるわけではないので左右だけでなく前後の微調整も必要になるというわけです。
決定打を増やすには前後の動きが大事!!
トップ選手とそうでない選手との違いの一つに「決定打の数」があります。
どういうことかと言うと、同じ位置に同じボールが飛んできたと仮定した場合にトップ選手は決定打を打つことができるがそうでない選手は強打できず繋いでしまうということです。何故こういう差がでるかというとポジション取りができているかできていないかということが一つの要因になります。
上の図を参考してみると①のボールを強打しようと思えば打つ前にボールの所まで動いてポジション取りをする必要があります。その為に縦の動き、すなわち前後の動きが必要になってくるのです。このポジション取りができなければ決定打を打つことができず「繋がなければいけないボール」と判断してしまうのです。
このように「浅い!!」と判断した瞬間に前に動きポジション取りが出来る選手は決定打を打つ機会が増え、結果的に得点できる確率があがるのです。
チャンスボールの打ちミスは前後の動きができていないから
皆さんも高いボールやゆっくりなボールに対してミスをしたことは一度や二度ではないはずです。こういうボールはチャンスボールと呼ばれるだけあって強打できるチャンスですが小学生や中学生ぐらいではまだまだミスが目立ちます。
何故ミスをするかというとここでも前後の動きができていないということが考えられます。ボールが来た時点で自分の卓球台のどの位置にバウンドするかというのを判断しなければいけません。まずこの時点で誤った判断をしてしまうとミスが増えてしまいます。誤った判断とは「高い・低いだけしか見ていない」ことや「そもそもボールの落下点など見ていない」などになります。判断と動きが伴って初めて得点に繋がるようなボールを打つことができるということを覚えておきましょう。
ネット際の浅いボールに対しては前に入って打ち、エンドライン際の深いボールに対しては距離をとって打つことが大事です。
まだフォームが確立されていないことが原因で起こるミスもありますが、ボールの落下点をしっかり見て、前後の位置取りをすることで改善されるミスもありますので是非参考にしてみてください。
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