いよいよ全日本のスーパーシードが出ましたね。自分が出るわけではないのに気になってしまうというのは一種の職業病でしょうか。
毎年この時期になると少しずつ口内炎がでては治ってを繰り返していたことを思い出します。
早いもので今年もあとひと月。本当に早い。
毎日を大切に生きたいですね。

こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール

私はこれまで「八戸ー青森ー埼玉ー和歌山」というようにどんどん南下していく卓球人生を送ってきました。行く先々でいろいろな試合にでたり、小・中学生向けの講習会をやったり、高校生が練習に来たり、ご年配の方の練習相手をしたりと様々なカテゴリーの方々と関わってきました。また海外での練習や試合にも参加したことにより、各地方・国ごとに指導の仕方や練習で意識する内容なども違いがあり大変勉強になりました。
全国各地の考え方の違いや海外での指導の仕方などで自分が感じ、経験したことを今後の指導に活かしていければと思っています。

日本全国見渡すと地域ごとにプレースタイルに違いがあり、古くからの伝統や指導の仕方など独自の考え方があるように感じます。都市部になると全国的な大会や国際大会がたくさんあり、観覧できる機会が多いので最新のトレンドを取り入れやすいですが地方、特に東北地区は卓球を取り巻く環境的にも情報収集のスピードが遅い傾向があります。しかしながら今はリアルタイムで試合を中継していていたり、YouTubeなどで見ることができるので積極的に活用してその点を補っていくことが必要になります。

「現状維持は退化と一緒」
どの業界でも言われることですが卓球界でも蔡振華元中国代表監督が言っていましたね。
指導する上でも常に新しいことを取り入れて常に進化させていくことが必要ということです。
「先人の方々の考えを勉強し、少しでも進化させる」
日々勉強ですね。

青森と言えば足を使ってフォアハンドで得点を狙うスタイル

地域ごとにプレースタイルの特徴があると書きましたが青森県といえば足を使ってフォアハンドで得点するスタイルです。まさに私もこのタイプの人間ですが青森を始め、東北地方には非常に多い戦型だと思います。フットワークに長けているのでどこに来てもフォアで攻めることができます。私が試合を見る限りその傾向は今も強いと感じます。一つの事を我慢強く続けることができ、言われたことをしっかりと体現しようとする青森人の性格の表れだと思います。
その反面バック系の技術力が乏しく、カウンターやブロッキングプレーを中心に戦う俗にいう「センス系」の選手が少ないように感じます。
どちらが良いという事ではありませんが時代の変化に敏感になり、常に『進化』をさせていくことを考えなければいけないと思います。

小学生でもバックハンドは「振れた方がいい」から「振れなければいけない」時代へ

38mmボール、21点制、セルボールというルールの下行っていた一昔前とは違い、ここ数年で卓球界では数多くのルールが変更になりました。それに伴いプレースタイルも自分から先に攻めるスタイルから相手に先に打たせてカウンターするスタイルへの移行フォアドライブを得点源にするスタイルから前陣でバックハンドを連打を得点源にするスタイルへ移行されてきました。そしてその影響で若い選手がトップ選手を破る試合も多くなり、卓球の低年齢化に繋がっていきます。強くなるには小さい頃から強化していく必要があるという日本卓球協会の方針で今ではU-7(7歳以下)の選手強化がスタートしました。

バックハンドを身につける段階としてフォア、バック、ツッツキ、フットワークなどの基本技術を一定のレベルまで身につけてから最終段階で習得する技術という考えが根強く、「お前にはまだ早い」「先にフットワークを鍛えろ」という声がしばしば聞こえてきます。
指導においての絶対的な正解はないと思っているのでそれも大事な事であると思いますが、私は柔軟に対応できる小学生、何だったら保育園上がりの低学年の子供たちには特に、偏って教えるのではなくある程度バランスよくいろいろな技術をやらせてみることが大切だと思っています。

八戸卓球アカデミーの練習の中にはフォアの技術を一切禁止して、バック系技術だけを練習する日もあります。これは極端な例ですが、ある程度基本ができてから次の技術を教えていくというやり方もあると思いますが、それでは身に付くのに時間がかかり、それまでに身につけた技術に固執してしまいプレーがこぢんまりしてしまいかねません。

今は小学生でもバックハンドはフォアハンド同様の必須の技術という考えの下、偏りが無いよう基本を身につけてほしいと思います。身につけた基本は、そこで終わりではなく中学、高校でより質の高いものにしていくということが大事になるので継続して取り組んでいきましょう。

オールラウンダーを目指す過程で生まれる副産物を自分の武器にする

指導をする上で全員が同じようなプレーにならないこと、つまり選手の個性を潰すような指導にならないように気を付けていますが、中学校に上がる前、若しくは入った直後などでも自分のプレーの良い所、悪い所がイマイチ解らず、なんとなく練習、試合をしている選手が少なくありません。
ここで大事なのがまずは基本となる技術を一通り習得してみてその中で自分自身で得意なことを、不得意なことを感じ取っていく事です。
バランスよく基本技術の練習をしてみても一つ一つの技術に必ず感覚の違いはでてきます。それが自分の長所であり短所になるのですがそれを自分自身で気付くにはやはり一通りの技術練習を実際にやってみないことには感じることはできません。
目指すべきゴールは「オールラウンダー」です。それを目指している過程で自分自身が得意・不得意な技術を感じ取り、伸ばし、時に修正していくことが大事なのです。

一人でプレーする卓球は技術が偏っていては勝つことができません。プレー領域を選ばずプレーすることが勝つための必須条件です。オールラウンダーになるまでには偏りのないバランスを考えた練習も必要ですが、「フォアハンド」「バックハンド」「チキータ」など各部分を切り取り、重点的に強化していき、最終的にオールラウンダーになるという過程が必要なのです。

バランスやオールラウンドというある意味平均的な意味を感じ取れるワードを用いて書いてきましたが、言葉で言うほど一つの技術を身につけるというのは簡単ではありません。何時間もボールを打ち、考え、毎日・毎週・毎月と継続して反復して取り組まなければ身に付きません。それでもなかなか目に見える成長を感じ取ることは難しいですがその中でも日々の小さい変化に気付くことが継続していくことには一番大切です。それが感じ取れない選手は反復練習の意味を見出せず、果ては練習することの意味を見失い挫折してしまいます。
是非「気づき」を大切に練習に取り組んでほしいと思います。


2025年には第80回 国民スポーツ大会「青の煌(きら)めきあおもり国スポ」が開催されます。卓球王国青森を象徴する大会になることを期待しつつ子供たちの育成に取り組んでいきたいと思います。


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