いよいよ東京五輪の代表が決まってきましたね。
張本選手と伊藤選手の10代の二人に物凄い期待がかかっているのでしょうね。
残るひと枠をかけて、今後のワールドツアーも見逃せません。
現卓球王国に前卓球王国が挑む東京五輪まで残り246日。
皆で応援しましょう☆

こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール

子供たちに「強いボールを打って!!」というと大体の選手が右足(右利きの場合)を前に踏みこんで打とうとします。小学生から中学生ぐらいまでの選手たちは「強いボールを打つ=踏み込む」というようにインプットされていることが多くあります。今回は「踏みこまなければ強いボールが出せない」という思い込みを捨てて、踏み込みの使い方について見ていきましょう。

※以下、右利きを想定しての体の使い方を表しています。

何故、「威力を出す」=「踏み込む」となってしまうのか

強いボールを打つときには体重を乗せて打つ必要があり、重心を低く保っておく必要もあります。この体重を乗せて打つというのが「勢いをつけて打つ」ということに置き換えられるため反動の力で打とうとしてしまうのだと思います。まだ力がなかったりフォームが確立していない初めのうちは勢いをつけて踏みこんで打った方が威力を出やすいということです。
しかしレベルが上がれば上がるほど、強いボールは一発ではなく二発・三発と連続で打つ必要があります。その中で毎回勢いをつけて踏みこんで打っていたのでは次のボールに間に合わなくなっていきます。現代の超高速卓球では「踏み込む」ということが逆にリスクを生むことがあるのでしっかり使う場面を選択しなかくてはいけないのです。

両足を床に付けたまま踏ん張って打つ

踏み込んでボールを打つという事は静止した状態で打つのとは違い動きながら打っている状態になります。(打つ瞬間は止まっているはずですが。)卓球は基本的に
「止まる→力をためる→打つ→動く→止まる→力をためる→打つ→動く・・・」
というサイクルを繰り返しています。実際はここまではっきり線引きされているわけではありませんが、無意識に行っているはずです。
今回はこのサイクルの中の「力をためる」という部分を切り取り具体的に見ていきましょう。

強いボールを打つ前は『タメ』を作る必要があります。それが「力をためる」ということになりますが、具体的には右足から左足に重心を移動させるということです。 この重心の移動ができるかできないかで威力のあるボールを打てるかどうかが決まってきます。また、これに加えインパクトの瞬間に全ての力を集中させる必要があります。自分の体に一本の太い幹が入っているイメージで上半身と下半身が一緒に動くようにスイングしてみましょう。 特に下半身は捻りを加えてしっかり踏ん張り、その力を一気に開放して打ちこむことが威力を出すことに繋がります。
初めのうちは素振りで『タメ』の感覚を自分で掴むことが大事です。そこから少しずつ「タメる→打つ→タメる→打つ」という動作を繰り返し徐々に動作のスピードも上げていきましょう。

浅いボールに対してはしっかり踏み込む

強いボールを連続で打つために踏み込まずに打つことが望ましいですが短いボール(浅いボール)に対してはやはり踏み込んで打つ必要があります。その際に大きく左足を前に出して踏み込むということが先行してしまいがちですがその前にまずボールに体を近づけるということが必要です。一歩、二歩、三歩(※)・・・自分の体から遠くなればなるほど歩数を多くしてボールに近づきます。足を合わせられたら最後に踏み込んで打ちますがつま先が外に向かないよう気を付けましょう。外に向けば向くほど体が傾きやすくなってしまいミスの原因となります。
もう一つ注意したいのが、打った後は決まったと思わず次の動作に入ることを忘れないということです。打ち終わりは左足に重心が乗っていますが素早く反対側の右足に移さなければいけません。その時に打った反動で戻るように意識すれば少ない力で戻ることが可能になります。打つだけでなく戻るという所までで1セットとして考えましょう。
※ここでの一歩は、右足を動かした後に寄せる左足を1セットで一歩という意味です。

このように『踏み込み』は場面、ボールによって使い分けをしなければいけません。
安易に踏み込まずに、「今のボールは踏み込むボールだったのか?そうではなかったのか?」ということを自問自答しながら練習を進めていく事が大事です。


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短所を補い長所を伸ばすことの意味
台からの距離とフォームの大きさ
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