こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール

緊急事態宣言が解除されこれから少しずつ学校活動も再開されていくことと思います。それに伴い部活動やスポ少の活動なども再開され全体練習などもスタートしていくことでしょう。
ということで今回は以前紹介した練習メニューの組み立て方の中学生編の第二弾をお送りしたいと思います。第一弾はこちら
前回は大まかな練習の流れについて紹介させて頂きましたが今回はある程度考えられる部員数を決めてその人数に対してどういうメニューを組むべきかを見ていきます。
学校により卓球台の保有台数やボールの数など若干の違いはあると思いますが5台から8台ぐらいを想定して考えていきます。

部員数10人から20人程度の場合

1、2人1セットで練習を行う

10人から20人ぐらいの部員が少数の場合は選手のレベルに限らずほとんどの選手が台に入れる確率が高いことが考えれらます。その場合は二人一組になり同じ練習を交互に行うとよいでしょう。練習内容はレベルが高い選手同士の場合はある程度ラリーが続くことが考えれらますので1球練習。もう一方のレベルが低い選手同士はラリーを続けるのが難しいことが予想されるので多球練習にしましょう。
※多球練習のボールの出し方については動画で紹介しています。こちら

2、エレベーターでのゲーム練習

これぐらいの人数であればほとんどの選手が台につけると想定します。その場合は積極的にゲーム練習を行っていきましょう。

左に行けば行くほど勝ち抜いている選手になり、右にいくほど負けている選手となります。
選手ごとのレベル差がある場合は条件をつけてやってみてもいいと思います。
通常の5セットマッチではなくこのようにエレベーター方式でやるとゲーム感覚があり選手のモチベーションも落ちずに試合ができると思いますので試してみてください。

部員数30人程度の場合

1、半面で打ち合う練習を取り入れる

部員数30人以上になってくると1台に対して1対1で打ち合うという練習が難しくなります。そこで1台に4人を配置して練習をしてみましょう。

打ち合うコースは「クロス」「ストレート」。しかし初めのうちはお互いの打球が安定せずミドルに行ってしまい隣の選手とぶつかるなんてこともあります。そうならないように打球をコントロールしていくことが大切です。ラリーをしながら「何故思ったところに行かないのだろう」「相手の取りやすい所に送るにはどうしたらよいか」などを考えます。

ロングボールだけでなくツッツキやドライブ対ドライブなどバリエーションを増やしたり、時間やラリー回数などで区切りコースを替えたりしながら行いましょう。

2、レベル分けをして勝ち抜き戦のゲーム練習を行う

中学生ぐらいの年代は「ゲーム練習が一番やる気がでる」という選手が多いものです。そのため人数が多い場合でもゲーム練習をする時間をできるだけ確保しましょう。人数が多いので1対1で行うとボールを打つ時間よりも待っている時間の方が長くなってしまうのでこれは避けたいところです。今回紹介するのは勝っている選手はそのまま台につけて負けた選手はどんどん入れ替わる、俗にいう「王様ゲーム」です。

王様になると3連続失点しない限り負けはありませんからかなり王様よりのルールかもしれません。その分、子はサーブ権が2本ありますのでそこで得点して最低でも王様のサーブまでは持って行かなければいけません。子は3連続得点しなければいけないのでできるだけリスクを回避しながらもここぞという場面で勝負にでれるかがとても重要です。

どこのチームにも少なからずこういうゲーム的な練習はあるかもしれません。自分たちでアレンジしてみましょう。

部員数50人程度の場合

1、打球練習チームと基礎体力作りチームの2つのグループに分けて交互に練習

50人ぐらいの大所帯となると全員が同じタイミングで台に入るのは難しくなります。
ちなみに中学校ではありませんが私が所属をしていた埼玉工業大学4年の時は部員数が63名でした。それに対して卓球台は10台なので単純計算1台に対して6人入る計算です…おそらく小学校から実業団まで全てのカテゴリーで一番の多さだったのではないでしょうか。そのような環境でキャプテンをやらせて頂いたことに感謝です。大変勉強になりました。

話を戻します。
まず全員で台に入るのではなくAチーム、Bチームと2つのグループに分けます。
Aチームは実際に台について練習する打球練習。一方のBチームはダッシュ、サーキットトレーニングなどの基礎体力の向上。
このように行う内容を分けて時間が来たらこの2つを入れ替えます。そうすることで人数が多くても効率的な練習ができます。

部活動での練習は顧問の先生が一人ということも考えられますので打球練習は体育館、トレーニングはグランドとなると目が行き届かなくなってしまう可能性があるのでできるだけ同じ空間でできるサーキットトレーニングや体幹などある程度狭い場所でできるものがいいでしょう。

2、多球練習をメインにし、週に1回はゲーム練習を入れ順位付けをする

ボールがたくさんあるということが前提となりますが人数が多い場合は多球練習が最適です。1球練習だとミスをするとラリーが止まってしまいますが多球練習の場合はミスをしてもボールが出されるので「戻る動作」や「打ち続ける」動作を身に着けることができます。やはりある程度ボールを打たなければ実力は上がっていきませんのでボールをたくさん打てる多球練習は人数が多い中学校の練習には最適です。

しかしながら上記にも書きましたが中学生ぐらいの子供たちはゲーム練習をするのがとても大好きです。2つに分けたグループ内で課題練習をする日とゲーム練習をする日とを分けて練習計画を組むことが大切です。例えばあらかじめ毎週金曜日はゲーム練習と設定しておけば選手たちはそこを目指して練習に取り組むことができるのでモチベーション維持にも繋がります。
マンネリを防ぎながらもどうすれば選手たち自ら取り組んでくれるかというのを考えなら練習計画を立てることが何より大切なことだと思います。


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