こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール

自分の得意なことは何か、苦手なことは何かを考えたときにレシーブが得意という選手は少ないと思います。何年か前からレシーブの主流がチキータになり、どのような回転のサーブでもチキータする時代になってきました。しかしながらただ闇雲にチキータしていたのではミスが多くなります。するとミスをしないようにストップやツッツキなどを用いてレシーブするようになります。そうなると角度があわずにまたミスというような悪循環になってしまいます。そうならないために私はレシーブの時に「3:7の法則」と名づけ試合で実践していました。その内容をご紹介致します。

1、3:7の意味

この3:7が何を意味するのか??それはずばり待ち方の比率です。

至近距離で打ち合う卓球では全ての動作、行動をMAXの意識、MAXの威力で戦い続けることは無理です。その為どこに一番意識を置いて戦うかというのがとても重要になります。トップ選手が「バックハンドはフォアハンドに繋げるための補助的な役割です」というようなコメントをいう時がありますがこれもバックハンドに全精力を使っていたのではフォアハンドが疎かになるということでファアとバックの比率を考えてプレーしているということになります。

今回の「3:7」の比率は前述したフォアとバックの比率ではありませんが一体何と何の比率なのかというとそれは2球目にかける意識と4球目にかける意識の比率になります。自分がレシーブの時に失点するときはほとんどの場合が4球目以内でラリーを終えています。これは現役時代、自分の試合分析をしても感じていましたが現在たくさんの選手からご依頼を頂いている私の指導プラン「映像分析」で様々な選手の試合を見ても4球目以内での失点は7割を超えています。
この確率だけを見るとなんとか6球目以降までラリーを続けなければと思うかもしれませんがまずもって一番の問題は相手のサーブに対してレシーブができていないということです。レシーブミスのオンパレードということです。レシーブの考え方の順番としては

①レシーブをミスなく入れる
②4球目を入れる
③6球目を入れる

となります。「何を当たり前のことを・・・」と思っている方!!その方はおそらく全日本トップランカーの選手でしょう。なにせ私を含め一般人はこの当たり前のことができないから試合で勝てないんですから。それほど卓球でラリーを重ねるというのは難しいことだしレベルを求められるということです。①ができるようになったら次は②へ。②ができるようになったら次は③へという考えで少しずつラリー回数を増やしていくのです。

レシーブミスが原因で失点、そして試合を負ける選手はけっこうな割合で「レシーブ」に全神経を注いでいるように見えます。逆を言えば「レシーブさえできれば勝てる」と思ってしまうのである意味で当たり前の考えのように思われます。しかしながらこれでは試合を勝ち抜いていくことはできません。神経を注ぐべきポイントを間違っているからです。
レシーブができずに失点を重ねていながらもそれでも上手くレシーブをしようとする選手はだいたい最後まで取れません。ですからレシーブに集中するのではなく次の4球目に重点を置いて考えることが大切なのです。
これが今回の「レシーブ3割、4球目7割=3:7の法則」です。

選手によりレシーブのレベルは違いますがここでいう「3」は相手のサーブに対してミドルにゆっくりナックル性のボールで返すイメージになります。回転がわからない為まずは台の真ん中であるミドルに入れることを最優先にするということです。ミスせず入れることが目的なので極端に言えばミスさえしなければいいのです。なぜなら4球目に意識を向けて万全のブロック・カウンターの体制で待っているからです。これが大切なのです。野球で言うところの「打たせて取る」というやつですね。

3球目を強く打たれたくないという心理はわかりますが実際試合になって打たれないということはまずありません。必ず打たれます。そのことを理解してある程度打たれるのを覚悟して良いレシーブ、攻撃的なレシーブばかりではなくミスしない程度のレシーブをして4球目に繋げてラリーにしていくということが大切なのです。

2、3:7を実行するためには普段の練習での意識が大切

普段の練習ではレシーブ力を上げるために厳しいレシーブ(スピードがあり、回転量があるレシーブなど)の練習をすると思います。ミスをしてもいいから厳しいレシーブをするという考え方です。反対に入れるだけの甘いレシーブの練習なんて誰もするわけはありません。しかしここが大きな落とし穴で字面だけ見るとそう思うかもしれませんがちょっと考え方を変えてみてみることが必要です。「入れるだけの甘いレシーブ」ではなく「甘くてもいいから絶対にミスをしない」という考え方への変換です。ここでいう甘いとは高くなったり、浅くなったりすることを指します。1の項目でも書きましたが3:7の法則の原則はレシーブをミスなく入れることです。これを試合の時だけやろうと思ってもそんな簡単にはいきません。試合で起こりうるであろう最悪な展開を想定して練習することが勝つ為には必要です。
皆さんもぜひ「ミスをしてもいいから」という練習だけでなく「10本来たら10本入れる」というような「ミスをしてはいけない」という意識を持ちながらやることが大切です。

3、試合では状況によりこの割合を変える

3:7の法則についてだいたいの考え方はわかって頂けたと思います。あくまでこの「3:7の法則」は相手のサーブがわからずにレシーブから得点できない場合に用いますが個々のレベルや対戦相手のレベル、試合状況によってこの割合を変えていくことが大切です。またセットを重ね、ある程度対応力がついてきた場合はレシーブの比率を上げてより攻撃的にしていきましょう。
技術的なレベルを上げることも大切ですが試合中の自分の置かれている状況を客観的に見れるようになること、そして対応力を上げていくことが勝ち抜いていくためには必要なことなのです。


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