気温も暖かくなってきて息子たちは虫取りに精を出しております。
私も子供のころはあんなに好きだったのにいつからこんなに虫嫌いになったのかと思いながら息子たちを眺めている今日この頃。

こんにちは。
八戸市出身の卓球指導者沼田です。→プロフィール

今回はブロックの重要性ということでお話したいと思います。
卓球の試合はほとんどがトーナメント戦ですので苦手な選手を作らないということが勝ち上がっていく上で大変重要になります。そこで大事になってくるのが「守備力」です。
守備力はブロックやカウンター、ロビングやフィッシュなど相手に打たれたボールに対して守る力のことをいいます。守備力が高い選手には以下の特徴があります。

1、相手を見る(分析する)能力が高い
2、常に打たれる準備をしている
3、バック系技術が上手い
4、長いレシーブが多い
5、自滅することが少ない

卓球はレベルが上がれば上がる程、ラリー中に攻めと守りの入れ替わりが何度も発生します。始めのうちは攻撃力が高い方が勝ちやすいですが徐々に勝てなくなってきます。それはレベルが上がれば厳しいボール、厳しいコースを突かれるため攻撃できるボールが減ってくるからです。攻撃ができない時は自分が狙えるボールが来るまで耐えなければいけません。この耐える時に守備力が必要になるわけです。
・十分な態勢で打てないボールを無理して打つのではなく、逆に相手に攻めさせブロックで崩し自分の狙えるボールを作る
・サーブが分からずレシーブが浮いてしまうので台から少し下がってラリーに持ち込む

などが守備力を必要とされる展開です。

ブロックやしのぐ技術が苦手な選手も意識の持ち方次第でいくらでも改善できるので以下内容を見て取り組んでいきましょう。

ブロックの基本はバック待ち

打たれる際の態勢はバック待ちをしておくのが基本となります。ブロックができない選手はラケットの位置が定まっていないことが多いです。相手が打つ態勢に入ったらラケットはバックの位置に置きブロックの準備をします。この際にだいたいバック側3分の2はバックで取ると決めておいたほうが迷いが少なくなりミスも減ります(下図参照)。相手がミドル寄りから打ってくるのか回り込んでサイドから打ってくるのかでブロックする時の立ち位置は多少変わりますがミドル寄りに陣取る方がブロックの決定率はあがるでしょう。

そもそもバック待ちが必要と言われるのはバックハンドは基本的に体の正面で取る必要があり、反応が遅れてしまうと直接ミスに繋がるからです。また試合の中でフォア側にボールを送るというのは逆襲されるリスクもあるので大概の場合バック側に打ってくる確率が高いということも理由の一つに挙げられます。
ちなみにフォアハンドは幅広く打点を取ることができるのである程度反応が遅れても取ることが可能なのでまずは「バックで待つ」を意識することから始めましょう。

後の先の戦術

現代は「後の先」の戦い方もできないと勝つことができません。後の先とは相手に先に攻めさせてブロックで揺さぶったりカウンターで逆襲したりする攻めの事をいいます。

基本的な考え方としてはこちらから長いボールを送り相手に打たせ、そのボールを利用(ブロック・カウンター)して主導権をとるというものです。ここで注意すべき点はブロック・カウンター以前に長いボールを送る際に質の高いボールにするということです。質の高いボールとは深いボール、速いボール、回転のかかっているボールなどです。ボールの質が低いと相手にジャストミートされ仮にブロックの態勢を取っていたとしてもボールに威力がある為ミスする確率が上がってしまいます。そうならない為に質の高いボールを送り相手の態勢を崩しベストポジションで打たせないようにするのです。
ブロックやカウンターをミスすると直接的にその技術がダメだと勘違いしてしまいがちですがツッツキやフリックなど長くしたボールの質を疑ってみてください。

思い起こせば高校1年生の全日本ジュニア予選の時に後に日本代表になる当時青森山田中学校の選手にひたすらツッツキをされブロックとカウンターを浴びさせられ負けたことがありました。それしかやらないというぐらい徹底してやってきてましたね。

このように一般的に「後の先」は球威がない選手が球威がある選手と戦う際(中学生対高校生/高校生対一般など)によく用いられますがトップで戦う選手にとっても必要不可欠な戦術となりますので是非マスターしましょう。

自分なりの攻めと守りのバランスを決める

ブロックは試合で勝ちあがっていくために必要な技術ですが結局のところ攻めなければ勝つことはできません。つまり攻めと守りのバランスを保ちながらプレーする必要があるということです。

攻撃と守備の割合が8対2なのか7対3なのか。はたまた4対6なのか5対5なのか人により様々でしょう。自分のプレースタイルを把握するためにも自分の攻守の比率がどれくらいなのかというのをある程度決めておくほうがいいでしょう。自分の中で一つ軸を持っていなければ冷静に自己分析することができません。自分の軸を持っていれば
「普段は攻守の比率が7対3だが今の試合は6対4ぐらいになっているな」と振り返ることができます。この場合6対4になってることが良い悪いではなく普段の練習の状態と今の状態を比較し自己分析ができていることが大事なのです。またスランプに陥ったり試合で勝てないことが続いたときなどに何がダメでそうなっているのか解決する糸口にもなります。

例えばこれまでの状態(調子が良い時)をAとして今の状態(スランプ時)をCだとします。CはAの時と何が変わったのかと考える時にAの状態が自分でわかっていなくて解決策はでるでしょうか。でませんよね。このように普段の自分の状態を知ることが後々の自分の軌道修正もできるようになるのです。

自分で攻守の比率を決めても対戦相手によって変えていく必要もあります。自分が攻めても不利になる展開だったりブロック力が高い相手に対してはまともに攻撃していっても得点に繋がりません。このように自分のプレーだけに目がいってはいけないのが卓球の難しい所です。
ちなみにこのようなタイプには攻撃の質を落とし、いつもよりラリーを長くしチャンスと思ったボールを選び強打するという攻め方が必要です。

自分の攻守の比率を決め、時にその比率を変えてプレーするというように常に分析・判断をしていかなければ試合で勝ち上がることはできないのです。


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