こんにちは。
八戸市の卓球指導者沼田です。→プロフィール

強い選手と対戦するときに「全然歯が立たなないんじゃないか」「簡単に負けたら恥ずかしい」など消極的な気持ちになってしまう選手もいる一方で「やってやるぞ」「思い切っていくぞ」と気持ちをもちのびのびプレー出来る選手もいます。
この違いは一体何なのでしょうか。
その人の性格と言ってしまえばそれまでですがそれ以外にも考えられるのが「強い選手に対する免疫力が有るか無いか」だと私は思っています。 ここで言う「免疫力が有るか無いか」というのはどういう意味なのか二人の選手の話を例に見ていきましょう。

《例》
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中学生のA君は高校生とこれまで1回しか戦ったことがありません。それに対してB君は10回も対戦しています。この時A君は「初めて高校生と試合だー。俺のやってきた技術が通用するかな・・・??勝つことできるかな。」と思っていました。もう一方のB君は「次は高校生か。前回は相手のドライブをブロックできなかったから今回は打たれる前にしっかりブロックの体勢を取ることを意識しよう」と思っています。
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二人の性格の違いはここでは置いといて、初めて高校生と対戦するA君は試合すること自体に意識がいってしまっていますが何回も対戦しているB君は戦術的なことに意識がいっており自分がすべきことが何かを考えています。これまでの試合数が多い事により相手が「高校生」ということに意識がいかなくなっていることがわかります。単純に数を重ねるとその対象への抵抗が無くなっていくのです。つまり「強い選手に対する免疫力が有るか無いか」というのは 「強い選手に対して平常心で戦う力が有るか無いか」という意味なのです。
B君のように何十試合も経験を積むにはたくさんの試合にエントリーして尚且つ高校生の所まで勝ち進んでいかなければいけません。数を重ねるということは大変時間がかかってしまうものなのです。
普段の練習、試合から免疫力をあげる為に出来ることはないのでしょうか。
今回はその点に目を向けていきます。

1、毎日の練習を全力で行う

当たり前のことですが毎日の練習を一生懸命やることが試合の時の自信に繋がります。毎日の練習をしっかりやらずして免疫力アップも試合での勝利もありません。
ただ数をこなして強い選手に慣れていくことよりもやってきたチャンスをいかに大切にするかが大事になります。試合数が少なくても自分が練習でやってきたことを出せるかどうかは毎日の練習の積み重ねがものをいいます。何も考えずにただがむしゃらにボールを打ち続けるという練習、時期も必要ですが最終的な自分の目標がどこなのかを分かったうえでやらなければ意味のないものになります。
「この1球を取れれば9対9で強気にプレーができる」
「この苦しい練習を頑張れば絶対優勝できる」

などという気持ちで練習できているかどうかが勝敗を分けます。そしてそれが出来た時に得る自信は数を重ねて得るものの何倍にもなります。

どんなに優秀なコーチが付こうが、どんなにたくさんボールを打とうが意識のない所に結果は生まれないと思っています。精神論で物事を語る時代ではなくなってきていますが「最後は自分自身の気持ちに勝るものはない」と私は信じています。そしてコツコツ積み重ねることが出来る選手が最後は勝つということも。

2、道場破りに挑戦してみる

道場破りと聞くと挑戦状を叩きつけ、勝った暁には道場を自分のものにしてしまうというようなイメージですね。卓球はスポーツなのでスポーツマンシップにのっとり挨拶や相手への思いやりなどを姿勢をもたなければいけないので道場破りという表現は適していないかもしれませんがここでは分かり易いように使わせてもらいました。悪しからず。

強い選手への免疫力を上げるにはやはり強い選手と練習するのが一番です。あとは監督、コーチに「中学生の選手であれば高校に」、「高校生の選手であれば大学に」というように自分よりも上のカテゴリーの選手の練習に混ぜてもらえるように相談や御願いができるかどうかです。

私が学生の時は埼玉県から東京都内(約1時間半ぐらい)まで電車で移動して他大学の練習に参加させて頂いていました。社会人になってからは業務終了後、和歌山から東京まで夜行バスで移動して翌朝から実業団チームの練習に参加させてもらいました。
強い選手と練習することはもちろんですが普段やったことのない相手と練習することによりボールの球質だったりサーブだったり違うボールに対応する能力が備わります。卓球はトーナメント戦が多く、その場合はいろいろなタイプの選手と試合をしなければいけないのでこのように様々な選手とやるだけでも大変勉強になります。

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とは言うものの、なかなか中学生ぐらいから自分の実力もまだわかっていない段階でこのように行動に移すことは難しいでしょう。(実際私もそうでした。)しかしながら将来的にはこういう行動を取ってほしいし、取るべきだと思います。「井の中の蛙」では強くなることはできません。

3、強い選手の真似をする

何事もまずは真似事からスタートするというような話はよく聞きます。
そもそも「強い⇔弱い」や「上手い⇔下手」のような技術的な差があって免疫力が必要になってきます。弱い立場になればなるほど免疫力を上げていかなければいけないということは逆に自分が強い選手の気持ちになってみてはどうでしょう。強い選手になりきるにはどういう事が必要でしょうか。以下一例です。
・強い選手の試合会場での振る舞いをしっかり観察する
・強い選手の試合前、試合後の行動、受け答えの真似をする
・強い選手の試合の進め方、コース取りなどを真似をする


このように強い選手を観察して身近に感じる努力をしなければいけません。
そうすることにより強い選手の気持ちがわかってきます。嘘でもいいので自分の立ち振る舞いを変えることにより自分の行動も少しずつ変わってくるはずです。
それを継続していくことにより強い選手と試合で当たっても物怖じしない気持ちを持つことができるようになるはずです。なんせ「相手より自分の方が強い選手だ!!」と思い込んでいるわけですから。

4、自分にとって少しだけ嫌なことに挑戦してみる

ここで言う「嫌なこと」とは自分にとってストレスと感じていることです。
何にストレスを感じるかは人それぞれですがここではなんとなく「腰が重いな」と思っていることに挑戦してみようというものです。
例えば
・練習後のランニングやトレーニング
・分からないことを人に聞きたいけど聞きに行けない
・練習してもらいたいけどなかなかお願いすることができない


などです。自分では「やらなければいけないこと」という認識があるもののなかなか一歩が踏み出せず後回しになってしまうことを後回しにせず強い意志を持って実行に移すことが必要です。口で言うほど簡単ではありませんがこの少しだけ頑張ることの積み重ねが競った時のプレーに表れます。
「免疫力を上げる」とは少しズレてしまいますが最後は自分を信じれるかどうかが試合では一番大切なことだと思います。

「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道」 
=イチロー=


4つの項目に分けてみてきましたが強い選手に対する免疫があるから試合で勝てるとは限りませんが自分なりに試合に向けてできる準備の仕方を見つけることが大事です。その積み重ねが強い選手に対しても臆せず向かっていくことができるようになり結果、免疫力が上がり平常心で戦う事ができると思います。
「対相手」ではなく「対自分」という見方に変えてみることによりやれる事はたくさんあるということです。


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